うたごえ「感動すること」

最近の子どもの様子を見ていると、ノートに書く字に思いを込めて丁寧に書いたり、自分の考えを伝えようと発言する姿が増えたり、漢字テストに向け書き取りの宿題に懸命に取り組んだりする子どもの姿を多く目にします。このような姿を見せる子どもたちも、残すところあと30日余りで5年生となります。「前向きに何かに向かう」というその思いを大切にしながら、5年生に向けての気持ちを高め、自分自身の成長へとつなげていってほしいと思います。

さて、今年の学校は、静岡市には珍しい雪で幕を開けました。記憶が正しければ、静岡市では2001年に積もるほどの雪が降って以来、21年ぶりの雪だったと思います。6日の1時間目、冬休みの振り返りをしようとプリントを配付していると「雪だ!!」と子どもたちの大きな声。その声に続くように「先生、外行っていい?」と一人の子どもが提案すると、「行きたい、行きたい!」とその声はだんだん大きくなっていきました。しかし、ふと外を見ると、それまで降っていた雪は、雨に変わってしまいました。その瞬間聞こえたのは「あーあ。」と、子どもたちの落胆する声でした。しばらくするとまた雪が降ってきました。すると、また数十分前の歓声が戻ってきました。「先生、今度こそ外に行きたい!」と、熱い思いを伝える子どもたち。その思いに応えるように「いいよ」と担任が言うと、子どもたちはものすごい勢いで外に向かっていきました。さっきまで、「寒いよー」と言っていた子どもも、いつも間にか外に出ており、気付けば誰一人教室にいませんでした。

外での子どもたちは、外に出たものの、「やっぱり寒い」と肩をすくめながら教室に戻ろうとする子、傘で雪を集めようとする子、寒さに負けじと走り回る子など、雪の降る運動場でやってみたいことを様々な姿で表現していました。これらのような姿を見せている子どもは、どの子も珍しい雪に感動し、満足感溢れる表情をしていました。

私たち大人は、雪山に行きウィンタースポーツで楽しむなど、様々な経験から静岡に降る雪を見ても「珍しい」に留まり「感動する」までは心は動かないのではないでしょうか。子どもは、経験が少ないです。だから、一つ一つの出来事に感動し、それを大切な思い出にしていくのだと思います。それは、きっと子どもの学びへとつながるでしょう。あることに感動し、心に強く残れば、自らがたくさんの疑問をもつようになり、調べたり考えたりして学びが展開されていきます。それを繰り返した子どもは、学ぶことが楽しくなり、どんどん他の事に興味をもって動きだします。つまり、感動するということは、子どもの知的好奇心を育むことになるのです。もしかしたら、雪の結晶、雪が降る仕組みに興味をもった子どももいるかもしれません。さらに、感動することで人の心は動きます。心が動いた子どもの感性は、少しずつ磨かれていきます。そうすることで、自分の気持ちだけでなく、人の気持ちにも敏感になっていくのだと思います。そのような子どもは、自分の気持ちだけで生きるのではなく、人の気持ちに寄り添いながら生きていくような人になっていくのだと信じています。子どもたちの身のまわりには、「感動」が転がっています。子どもと一緒に、大人も感動することを忘れないようにしたいと思った時間でした。

保護者の皆様には、日頃より教育活動へのご理解と子どもの成長を見守ったり支えたりしてくださり、感謝申し上げます。残り2か月となりましたが、これからも引き続きご支援よろしくお願いします。