1 校長挨拶

 ご あ い さ つ

                                                                          松永 泰弘 (静岡大学学術院教育学領域 教授)

 本校は,知的障がいのある児童生徒の養護学校として昭和49年4月1日に開校しました。爾来40数年の歴史を積み重ね,平成19年4月1日に附属特別支援学校として校名の変更を経ながら,知的障がいのある児童生徒が社会生活に必要な能力を養い,社会参加する力を身に付けることを目標に,小学部・中学部・高等部の12年間にわたる一貫性・系統性のある教育を実施しています。教職員一同,本校の子どもたちの健やかな成長・発達を願って一所懸命に教育研究活動等に取り組んで行く所存でおりますので,ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 本校の設置目的は大きく分けて2つあります。まず第1に,知的障がいのある子どもたちが,将来積極的に社会参加し,自らの生活を切り開く人となる姿を目指して,一人ひとりの発達可能性を最大限に伸ばす教育を,小学部から中学部・高等部への一貫性や継続性を重視しながら推進することです。本校の玄関には,“生活を切り開く子”というモニュメントが来校者をお出迎えするように設置されています。本校が願う子どもの姿は,この“生活を切り開く”という言葉に端的に示されています。目指す子どもの姿をつねに念頭に置きながら,小学部・中学部・高等部それぞれのカリキュラムを編成し,同時に「縦割り集団」を組織して異年齢集団活動にも取り組むことで,いわば時間軸と空間軸とを交差させたより包括的な教育活動を展開しています。

 第2は,静岡大学教育学部の附属学校として,固有の役割を果たすことです。具体的には,1)知的発達に遅れのある子どもたちに対する特別支援教育の理論及び実践に関する研究を推進すること,2)本学部学生に対する教育実習の場を提供するとともに指導を行い,将来的に特別支援教育を担う教員の養成に協力すること,3)地域の諸学校のニーズに応じて,発達上の困難を抱えた子どもたちの見立てと支援計画の策定・実施等をサポートすること,です。これらの活動を通して,付属学校としての使命に応えるべく,本校の研究教育実践の成果を広く発信し,静岡県下の特別支援教育関係諸機関との相互理解が深化することを願っています。

本校は,静岡市の中心街からわずかに北寄りの閑静な住宅地に位置しています。西側には賤機山(しずはたやま)のなだらかな丘が目に入り,冬の晴れた日には,運動場から雪をいただいた富士山を仰ぎ見ることができます。敷地内のいたるところで四季折々の花を楽しむことができ,また,ギンナンが名物でもあります。自然環境に恵まれた本校で,子どもたちはのびやかに育っています(図は本校のマスコットキャラクター,“ギンナンくん”です)。ギンナンくん4

本校の先生方は,子どもたちの気持ちをしっかりと受け止め,理解し,寄り添う働きかけをつねに心がけ,ともに成長しあう存在として教育に取り組んでいます。もちろん,成功した時の喜びや達成感を自分のことであるかのように味わい,その時々の気持ちを素直に子どもたちに返しています。

私は,教育学部の研究者として動くおもちゃものづくり教材の開発を行ってきました。先生方と一緒に子どもたちにかかわり成長したい,また,これまで研究してきた動くおもちゃを,子どもたちと一緒につくって,あそんで,まなぶことができたらと思っています。

 物心ともに豊かで,安心感を持つことができる生活環境を基礎にして,本校が特別な支援を必要とする子どもたちにとってよりいっそう生き生きと過ごすことができる場であるように,また,大きな夢を持ち,環境・社会を切り開いてく人に成長できるよう教職員一同は願っています。ぜひご訪問いただき,本校の子どもたちや教職員と触れ合っていただければと思います。                                                                       (まつなが やすひろ)

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